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第30章 総合部(2)

臼井陽一郎:

まず簡単に二点だけコメントさせていただきたいと思います。機能的な協力、「もうかりまっか?」に進めなきゃいけない、その通りであります。それからもう一つ、私事になりますが、過去三年間、東アジア共同体憲章、チャーターを作ろうというそういう研究プロジェクトを他の大学の方々とやってきました。その過程で先ほど申しました、ASEAN+3の13カ国が調印している条約を全部調べました。それから13カ国の憲法を全部調べました。ただ一部憲法を持ってない国もあるんですが、それは除きまして全部調べました。こうしてASEAN+3の13カ国が加盟しているすべての条約と、各国の憲法のすべてを調べますと、「ヒューマンライツ」、「人権」というのは誤解を恐れずあえて言えば、アジアのキーワードであるとさえ言えそうです。

その調査の過程で元ASEAN事務局長のセベリーノさんという方にインタビューすることができました。そのかつてのASEANの事務局のトップの方がこう言っておりました「人権という限りにおいてはアジアの政治家の誰一人が反対しない。」つまり人権というとアジアが乗ってくれないというのは実は日本人の思いあがりだったとさえいえるかもしれません。もちろん、人権をどう実現していくか、実現の方法、制度についてはヨーロッパと違います。しかし実現されるべき人権についてはASEAN10カ国と日、中、韓すべてが共有しております。キーワードは「理念」「アイデア」からどう実行に移すか、「from the idea to practices」だと。その「理念」から実行へ移していく共同の枠組みを東アジアの中に作っていかなきゃいけない、そのために日本と中国と韓国とASEAN10カ国が協力をしていかなきゃいけないということだと思います。ありがとうございます。

越智敏夫:

今の臼井さんのコメントに対してパネリストの方で意見を提起したいという方はいますか。もしいらっしゃらなければ、その経済的な交流と、さきほど佐々木さんから指摘のあった「人権による統合」、これは臼井さんのコメントでいえば「実行の枠組み」ということになると思いますが、この点に関して日中経済関係について報告された李さん、何かございませんでしょうか。

李志英(區建英 訳)

経済発展でまず解決しなければならないのは人間の生存の問題だと思います。経済発展の理論において、経済学者は確かにまず利潤最大化を言っていますが、その他に、経済発展の公平、公正について議論する学者も多いです。この二つの問題はアダム·スミスの時代にはすでに取り上げられました。日本の経済は1960年代以降、高度成長を遂げ、人民の生活レベルは普遍的に高くなっていますので、生存の問題はそれほど重要ではないようです。一方、中国の状況は日本と違って、生存の問題が依然として最重要な問題だと思います。ついでに先ほどの安藤先生のご質問に答えたいです。

安藤先生のご質問は、「日本企業が中国に進出することによって、新しい経済格差が生まれたのか」ということでよろしいですか。この点については、歴史的に見なければならないと思います。日本企業や日本の資金が中国に入ったのは、主に中国の改革開放政策が実施した後です。冷戦の終結につれて日本企業の中国進出の規模は日増しに拡大しました。日本が中国に投資するのは一方、中国に資金と技術をもたらし、中国の経済発展に積極的な役割を果たしました。他方、日本の経済発展にも機会をもたらし、日本経済の増長に助力しました。2008年は中国の改革開放30周年を迎えました。この30年間、中日の間の経済格差が次第に縮まってきまし。日本企業の投資によって、中国は資本と技術だけではなく、経営のノウハウをも得ることができました。このため、中国人は日本からたくさんの経験を学ぶことができます。中国人として日本に感謝しなければならないと思います。以上は簡単ながら私の答えです。ありがとうございます。

越智敏夫:

ありがとうございました。今のお答えに対して安藤さん、何かありますか。

安藤潤

中国の経済発展は目覚しいものがあると思いますし、今、先生から「日本の企業から経営のノウハウを中国の企業が学んだ」とおっしゃられましたが、むしろ最近ですと日本の企業経営者の方が中国の企業経営者から経営のノウハウを学ぶこともあるようですし、企業経営の面での交流というのは、一方向だけではなく双方向で進んできたのだと思いますし、企業間ではそういった交流も双方向でもっと活発になっていくのではないかと思います。

越智敏夫:

ありがとうございました。今の一連のコメントはグローバリゼーションの中での経済変動について語っているものだと思います。それは李先生がおっしゃったように日中の格差そのものが縮まるわけですけれども、日本の中、あるいは中国の中での格差そのものは拡大しているとも言えると思います。このことは今、臼井さんの発言の中にあった地域主義がその問題を是正できるかということに深く関連していると言えるのではないでしょうか。その地域主義がグローバリゼーションの悪い面に加担するのか、それともそれを是正するのかという問題でもあります。このような問題をめぐって議論が進んでいると思いますが、どなたかご意見ありませんか。

小山田紀子

問題が非常に複雑でうまく整理できないのですけれど、中国の中での地域格差という問題について話したいとおもいます。昨日、第2部のあとに少数民族の問題ということで、懇親会の時に楊先生や唐先生からいろいろお話を伺いました。少数民族問題についてはアファマーティブアクションなど、いろいろな政策がとられていて、一生懸命努力しているという話や、それから今日の唐先生のコメントの中で近代化の道は一本ではないとか、成功か失敗では捉えられないというご発言、さらには民族中心主義ではない多元的な社会をつくっていくというお言葉に感銘を受けました。けれども、やはり中国の東西の格差というのはすごく大きくて、深刻な問題だと感じています。沿海州をはじめとした急速な経済発展を遂げているところで、人の移動が西から東に来ますし、そこで安藤先生のお話のとおり日本企業が進出するし、そこでまた労働者が日本に流れ込んでくるというようなさまざまな人の移動があるでしょう。それに呼応して、やはり内陸の西部の遅れということがよく言われることですが、それに関連して昨日の王東平先生のご報告は大変興味深いものでした。すなわち、モスクが増加しているとか、漢族もイスラーム改宗者が増えているとかやっぱりそういう問題が西の方で現れてきているのではないか。その回族の問題、イスラームの問題―非常に専門的な話になりますが―も中国国内における経済的社会的なさまざまな問題の中で起こってきているのではないかと思いました。そこで例えば、昨日の王先生のお話の中で取り上げられたイスラーム教育の問題について、政府が認可するイスラーム教育の学校がどういう風に増えているのか減っているのかということもお聞きしたい点ですが、やはり地域的に問題が発生しているのではないかと感じています。

史革新(區建英 訳)

今の中国の現代化改革における格差の問題について話したいですが、世界範囲から見れば、一部の国家が近代化的改革を進める中で「不均衡」、「両極への分化」の問題が表れています。これは普遍的な問題です。欧米諸国も日本もそうでした。近代化的改革を進めている中国もこの問題を避けられないのです。

中国は1970年代末から改革開放を実行し、30年間の近代化改革を経験し、明らかな発展を見せています。しかし同時に、発展における「不均衡」、「両極への分化」の問題も現われています。例えば、東部の沿岸地域に設けられた経済特区は発展が比較的早く進んでおり、西部の内陸·辺境地域は発展が比較的に遅れています。人々の収入に格差が現われ、明らかに両極へ向かって分化しています。これらの「不均衡」と「両極への分化」の現象はまだ絶えず激化し続けています。その一部は相当深刻な状態に進み、社会の安定にも影響を与える有り様です。

改革開放後に現われてきた「不均衡」、「両極への分化」の問題に対して、中国政府と人民はすでに高度な重視を向けています。

1990年代から、中国政府はこれらの問題に対処するために一連の措置を取ってきました。例えば、貧困地域への資金投入を増大し、低収入者層の減少を図ること、個人所得税制度を改善し、高すぎる個人収入に抑制を加えること、西部開発と東北振興などの発展戦略を実施し、地域発展の不均衡問題を改めようとすることです。これらの政策は今、すでに一定の効果を現しています。中国の貧困人口は大幅に減少しており、西部地域のインフラ建設も大きな発展を得ており、「不均衡」の問題は明らかに緩和されています。中国政府が「不均衡」、「両極への分化」の問題を解決する意志は本気で思い切ったものです。中国人民もこれらの問題の解決に強い自信を持っています。これに対して、私たちは楽観的な態度を持つべきでしょう。

越智敏夫:

ありがとうございました。

今回のシンポジウムでは各発言者の専門科学の差異によるものだけでなく、多くの意味において多元性のある議論になったと思います。それは第1部での回族の話、それからイスラームの話、儒教思想などでも、それぞれの思想は地域が異なることによって多元的であり、また他の社会的構造から近代以前において同一地域内でさえ単一の思想は多元性を高めていたと言ってよいと思います。そうした多元的な世界が近代化、植民地化の中でどのような変貌を迎えたかというのが第2部のテーマだったと思います。それが現在、先ほどの第3部で地域主義の観点でもう一回総括されたと思います。じつは先ほど孫先生から小澤先生にあてた質問のなかで未回答の部分が若干ありました。それは何点かのキーワードと関連させて、この東アジア地域の将来の展望を語ってもらいたいというものでした。そこで総合司会の責任を放棄するようですけど、ここで小澤さんにコメントとしてその質問に対する回答をお願いして、その回答をもって全体をまとめていただきたいと思います。

小澤治子

孫先生ありがとうございます。全体をまとめるというのは私には荷が重いのですが、私なりに自分の報告の補足、あと考えていたことをお話したいと思います。キーワードを使って東アジアの協力の展望をまとめろということだと思いますが、やっぱり三つ挙げたいと思います。まずはさっきもちょっと申しましたが、「国境の壁を低くする」ということこれが一つです。それから二つ目は「二国間協力から多国間協力あるいは多地域間協力の必要性」ということだと思います。それから三番目は「共同利用」ということを考える必要があると思います。こんな風に設問をしましたけど、問題が安全保障の問題なのか、経済問題なのか、環境問題なのかによって異なってきます。

国境の壁を低くするということを言いましたが、実は国境の壁を低くするとさまざまな問題が入り込んでくるので、克服するべき問題を新たに生み出す可能性があります。しかしさまざまな克服すべき問題が新たに生まれたとしても、今の東アジアの現状ではまずは国境の壁を低くする、それを私は重視するべきだと思っています。それとの関連で一つ、二つ申し上げたいのですが、例えば最近日本の国境問題を抱える自治体が、例えば根室でしたら北方領土の都市と協力するだとか、あるいは日本の離島が国境間協力をするとか、いわゆる地方レベルの国境を越えた協力というのが最近起こってきております。こういうことが進めばいつのまにか国境問題とか、領土問題というのが相対化されていくのではと思います。それから今回話題にはなりませんでしたけども、先ごろの日中の首脳会談で東シナ海のガス田の開発に関して日中間で共同利用で合意したと思います。やはり共同利用という考え方は日中間の協力にとって、もちろん私はプラスであると思いますし、また同時に日中だけではなくて、東アジアの国家間、地域間の協力ということを考える上で一つの今後のモデルになっていくのではと思います。どうもありがとうございました。

越智敏夫:

どうもありがとうございました。以上の一連の議論で、会場からいただいた質問票のかなりの部分の質問には答えたのではないかと思います。残った問題もいくつかはありますけど、それは次の機会に検討したいと思います。

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